男性型脱毛症は現代において、男性であれば誰しもが気になる頭皮の病気として知られるようになりました。

 

こうした病気に対しては全国各地の皮膚科を中心とした病院や、薄毛治療を専門にするクリニックなどが対処・治療にあたっていますが、一般的に男性型脱毛症の完治にはある程度の時間がかかるものであり、また人によっては一度治療が終わった後でも症状が再発してしまうことがあります。その原因としては生活習慣などが大きな影響を与えているということが明らかになっているのですが、最先端医療が発達してきた現代であっても、根本的かつスピーディーな治療は限られているというのが現実です。

 

そうした現実の中において、男性型脱毛症治療に革命を起こすかもしれないとして考えられている最新の治療法があります。それこそが「再生医療」と呼ばれるものなのです。それでは、この再生医療とはどういったものなのでしょうか。

 

まずこの医療がどういったものなのかということについてですが、ざっくりと説明すると「失ったものを再生することによって行う医療」ということになります。例えば癌で内臓の一部を切除したというような場合、その失われてしまった一部を新たに細胞から作って、それを移植することで機能を取り戻させるというような治療になるでしょう。

 

これはかつてまでは「不可能なこと」として考えられていたのですが、京都大学の山中教授がiPS細胞の作成に成功したことによって、一気に実現の可能性が高くなりました。現在ではまだ研究の段階にありますが、今後臨床試験などを繰り返していけば、これまで治療できずに諦めるしかなかった多くの患者さんの命を救うことができるようになるとして注目を集めています。

さて、ではこの治療法を男性型脱毛症の治療にどのように生かしていくのかというと、これは「毛根を再生させる」というところが最も期待されている活用になります。そもそも髪の毛が生えるには毛根が無くてはならず、毛根が失われてしまったというような人に対しては植毛などの方法による治療がメインとなっていました。

 

植毛治療はかなり早期に髪の毛の量を増やせる治療であるということは間違いないのですが、施術方法によっては痛みが伴いますし、また施術を担当する人の技量によって出来栄えが異なってくるというデメリットもあります。ですがもしiPS細胞などを利用して毛根の細胞を再生させ、それを頭皮に移植することができたのであれば、その人はまさに「自然な自分の髪の毛」を手に入れることができるようになるのです。

こうした移植については常に拒絶反応などのリスクがありましたが、iPS細胞などの場合はそのベースに本人の細胞を利用するため、拒絶反応などが発生するリスクはごく低いものになります。まだまだ実用の段階にはないということは確かなのですが、研究を重ねて一般化すれば、男性型脱毛症に関しての業界にはまさに革命が起きることでしょう。

 

なお、最新の男性型脱毛症（AGA)に関しての治療を理解する上で、そのメカニズムや効果的な治療法などを知っておく必要があります。「ホルモンと男性型脱毛症の関係」などのサイトを参考に、より深い知識を身に付けておきましょう。