男性型脱毛症(AGA)治療の新薬「ザガーロ」について

男性型脱毛症の治療薬は、世界各国の製薬会社でさまざまな商品が販売されていますが、そうした治療薬が日本国内でも使用できるようになるためには、国の承認が必要になります。
承認は安全性などさまざまなことを考慮して決定されるため、これまで日本国内で承認されてきたのは男性型脱毛症の治療薬はプロペシアしかありませんでしたが、最近新たに別の薬が男性型脱毛症の治療薬として国によって承認されたため、患者は治療に使用する薬を選択できるようになり、その承認された製品がザガーロという薬です。

海外

 

ザガーロはもともと、外国の製薬会社であるグラクソ・スミスクラインという会社が海外で販売していた薬でしたが、男性型脱毛症の治療薬として、すでに世界数十カ国で使用されてきた実績があり、日本で正式に承認されたのは2015年の秋で、それから1年近くが経過した2016年に日本国内の医療機関でも正式に使用できるようになりました。
日本で販売されている製品は0.1ミリグラムのカプセル錠と、0.5ミリグラムのカプセル錠です。どちらも一箱に30錠ずつ入っており、この薬の名前はアルファベットでZAGALLOと書きますが、この名前にはしっかりとした意味があり、名前がZで始まっているのは、アルファベットのZには「究極」や「最終的な」という意味があるからで、それにAGAの治療薬であることからAGAというアルファベットをそのままつなげて、その後ろにLLOという単語を付けており、このLLOはスペイン語のような語感と、イタリア語でOが男性名詞と関連していることに由来しています。
もともとザガーロはAGAの治療薬として開発されたのではなくて、前立腺肥大の患者の治療のために使用されてきた歴史があり、日本でも前立腺の治療薬としてはすでに承認されて、国内で使用されていましたが、今回新たにAGAの治療薬としても正式に承認された経緯があり、これらの二つの製品の有効成分は同じですが、前立腺肥大の治療に使用されている製品はアボルブという名称で販売されており、アボルブとザガーロに共通して含まれている有効成分はデュタステリドです。
デュタステリドが男性型脱毛症の治療に効果があるのは、デュタステリドには脱毛の主要な原因となっているジヒドロテストテロンという物質が体内で生成されるのを阻害できる働きがあるからで、その点においては他の製品とも同様ですが、一方で他社で販売されているフィナステリドを使用した男性型脱毛症の治療薬と大きく異なっているのは、Ⅰ型5-α還元酵素を阻害することができることであり、フィナステリドを使用した製品にはこの酵素を阻害する働きがないために、フィナステリドの製品であまり効果が感じられなかった人でも、効果を実感できる可能性があると言われている一方で、同時にⅡ型5-α還元酵素の阻害においても、フィナステリドを使用した製品よりも高い効果を発揮すると言われています。
AGAの原因となっているⅠ型とⅡ型の5-α還元酵素を一つの薬で一度に阻害できることが、この製品が世界数十カ国で広く使用されている理由で、そうした高い効果を持っていることが、日本でも正式に承認された理由の一つとなりました。

承認

男性型脱毛症の治療薬として新しい製品が承認されたことにより、治療の幅が広がったことから、より多くの患者の症状が改善されることが期待されており、医療機関で脱毛の治療を行う人の数も今後ますます増えていくことが予想されていて、数十年前には治療は困難だと思われていた脱毛も現在では医療機関で治療が可能な症状であるという認識が広がっていて、実際に多くの人が医療機関の診療で脱毛の状態を改善しています。